眼鏡収納箱

写真と長くなりそうな話の物置

遂にフィルムカメラにまで手を出してしまった

表題の通り、大して腕も造詣もないのに妙に凝りだしてしまったのでその記録などになる。

以前、オールドレンズに手を出した記事を書いたが、その際使用していたレンズのマウントに対応する、というより本来使われるべきフィルムカメラを購入した。

glassesbox.hatenablog.jp

レンズを購入したときはデジタルカメラで気軽に遊ぶ用途を考えていたが、やはり元々の組み合わせで使ってみたくなってしまった。レンズ目当てに行ったカメラ店で、たまたま程度のいいカメラを見つけてしまったのが運の尽きだったのかも知れない。とはいえ自身の性格的に遅かれ早かれ購入していた気もする。

 

 

というわけで、購入したのはOLYMPUSフィルムカメラであるOM-1。小型軽量な一眼レフとして画期的だったらしいカメラで、露出計がついている以外は人力操作になっている。昨今のデジタルカメラは基本的に露出は自動で制御してくれるが、こちらは針を見ながら絞りやシャッタースピードで適正な値に調整していく必要がある。ちなみにOM-1シャッタースピードは最高1/1000秒と遅い部類で、晴天だとあまり絞り選択の余地がなくデジタルカメラの様に気軽にぼかして遊ぶのが難しいのがちょっと残念な所。これに伴いフィルムも高感度どころか、常用されるであろうISO400位でも露出計上は露出過剰気味でフィルムの選択肢が少なくなってしまっている。これに関しては現在のフィルムの種類自体が少ないので猶更なのだが、当時は今より感度低めが主流だった(らしい)上に、そもそも絞りはぼかして遊ぶというより明るさを稼ぐ方が主眼だったと思われるので仕方ないのかも知れない。

 

カメラを購入したのは昨年末だったのだが、主に使用するのはデジカメな上に時世的に出かける機会も少なく、撮影済みフィルムがある程度たまってからまとめて現像しようと思っていたので結構時間が空いてしまった。フィルムもいくつか使ってみたので、その結果を少し置いておく。

 

まずは小売店で恐らく最も一般的に見かけるフィルムであろう富士フイルムのFUJICOLOR100。これは以前白川郷に行った時に併せて撮ったもの。なので、以前の記事と同じような写真が多い。この時は他のレンズの調整が悪く、確か廉価版キットレンズの標準レンズのみを使用した。

glassesbox.hatenablog.jp

 

 

廉価版とは言え明るい標準レンズなので結構いい具合でぼけている。場所が場所なので比較し辛いが、心なしか青か緑寄りな色味で、概ね一般的に言われているイメージと同様に感じた。

 

こちらは季節が巡って春先に岐阜県は神岡へ行った際のもの。この時は概ね晴天だったからか色味は若干暖かめなフラットに感じる。日中に使うなら自然な色が出て使いやすいだろうか。

 

 

次は同じくフジのFUJICOLOR SUPERIA PREMIUM400。これは長野県の上諏訪駅周辺だが、時間帯が夕方なので色味は若干引っ張られているかも知れない。

 

レンズは確か広角寄りのものを使用している。パッケージよろしく僅かに紫の雰囲気があるようなないような、そんな感じがする。

 

今回現像した中にいくつかコントラストの弱い写真があった。逆光であればフレアかと思うが、順光で下半分だけのこのような状況だと別の原因のような気もする。因みに写真自体は電柱が傾いているのを撮りたかっただけである。

 

最初にISO400だとシャッタースピードの都合で絞りの自由度が少ないと書いたが、このフィルムを使用した際は露出計上で適正な値に持ってくることができなかったので、概ね1~2段程度高めに撮影している。出来上がった写真を見てみるとそこまで露出オーバーになっているわけではなく、これがネガフィルムのダイナミックレンジというか許容度の高さかと感心してしまった。

 

 

こちらは先日所用で東京に出かけた際の写真。フィルムはコダックのColorPlus200という普及版フィルムの位置づけと思われるもの。レンズは先と同様の広角寄り。

 

先のフジ400に近い気もするし、何となく暖色よりな気もするが気のせいかも知れない。よくフィルムの色傾向は概ねパッケージの色に似ているというが、実際意図しているのだろうか。

 

都会だからか暗所でも何となく見れるように撮れていると思う。現像もデータ化も近所の量販店にお願いしているが、このフィルムはデータ化の際に埃が結構ついてしまったらしく残念な仕上がりのものがいくつかあった。受け取りの時点では分からないのでやり直してもらうのは難しいしわざわざそうするのも面倒ではあるので、今後もフィルムを使うようならデータ化くらいは自分でできるようにしたいと考えている。

 

 

最後は同じくコダックのULTRAMAX400。レンズは確か広角寄りだったと思うがあまり覚えていない。場所は箱根でまだ寒い時期だったと思う。

 

ULTRAMAXと言えば「青い」と有名であるが、空や湖を映していることもあって確かに青が強調されているとは思う。しかし個人的には前評判ほど青くない気もしていて、先のフィルム同様に傾向が違う程度のものかなと感じた。インターネット上では現像所を変えると青さが緩和されたという話があり、また量販店の現像機材の多くが富士フィルム製で本来意図した仕上がりにならなかった結果なのかもしれないと思っている。

 

このフィルムを撮った場所や時期もあって、色味が個人的に寒さを思い出す写りになった。このフィルムはまた別の機会に改めて使ってみたいと思っている。

 

 

というわけで、比較的入手しやすいフィルムでいくつか撮影してみた。カメラ自体はマニュアルでも特に面倒とは感じず、特徴であるコンパクトさやミラーショックの少なさがとても使いやすかった。不満があるとすればやはりシャッター速度だが、先の通り多少の露出は許容されてそこまで神経質にならなくてもよさそうだったので、今後はもう少し絞りを開いても良いかもしれない。今までカメラ任せだった露出を自身で調整していると、それぞれの1段分という意味が分かってその調整も結構楽しかった。今後も機会を見つけて時々使ってみようと思う。

 

最後に今回かかった費用だが、フィルムが1本700~1500円程度、現像が同じく800円前後だったので1本辺り1500~2300円程度の計算になる。データ化やプリントをすれば更に増えるので正直あまり気軽に使うのは難しいかも知れない。実質ほぼ無料で使える携帯電話やデジタルカメラが手元にあるので、スナップなどでは単純に撮影するだけでなく何らかの付加価値を見出せるかどうかが重要な点だろうか。とはいえ若年層でフィルムカメラが少なからず流行していたりもするらしく、実際撮影中に有名なカメラを提げた女性を見かけたりもした。ファッション的要素もあるだろうが、そこから少しでもフィルムカメラを使う人が出てきて文化が継続していって欲しいと思う。