久しぶりに山歩きに行ってきた話。
今回は蓼科山とその周辺を回る予定のルートとして、表題の通り久々の山なのでリハビリとして気楽に行くことにした。蓼科山は長野県は立科町と茅野市の境、八ヶ岳の北にある山で、先日のツーリングで最寄りの登山口である大河原峠(蓼科山の北東辺り)に立ち寄った際、今度は山歩きで来てみようと思っていたもの。
なのだが、この日はまだ雨の残る残念な天候で、風もそれなりにあるあまり良い山歩き日和とは言えない日だった。とはいえこれは最初から織り込み済みで、景観はとりあえず置いておいて身体の慣らしができればいいかなという考え。ついでに人が少なければなおよし、といった所。なので最初から雨合羽も着込み、その他雨対策もばっちり準備して歩き始めた。
まずはしばらく岩がちな登りを進む。この日は天候が悪いだけでなく道中はほとんど雲の中で、木々の下では日没かと思うような暗さだった。おかげで今回のお供のOM-1(と12-45mm F4.0)は、設定したISO感度限界の3200に張り付いたままでかなり厳しい画質に。
薄々そんな気がしていたが、雨天時は小川と化す登山道だった。この日はゲイターを巻いた重装備にしていたので、多少の水は気にせず進む。
途中に佐久市の標高最高点があった。この付近までが佐久市と茅野市の境目を通る道で、この先は立科町と茅野市が隣接する稜線になる。
更に少し進むと将軍平の蓼科山荘に到着。この日は休日なのもあってか団体登山のグループがおり、混雑しそうなので休憩もそこそこに早めに出発した。しかし、ほとんどの山歩きは一般的に言うシーズンオフにしか行かないので、こういったにぎやかな山は結構新鮮。
急になってきた登りをゆっくり進み、ヒュッテのある山頂付近に到着。この辺りで雨は予報通り概ね止んでいた。
そして無事に山頂へたどり着いたが、見ての通り展望は全くなし。周辺を歩いてみたが、視界がなさ過ぎて迷子になりそうな状態だった。
休憩がてら山頂で撮影した、実がなっている高山植物。上からガンコウラン、コケモモ、シラタマノキというらしい。写真にもあるが、今回よく見かけた小さいマツのような草はガンコウランのもの、とのこと。帰ってから調べるとどれも一応食べられたらしいので、一度食べてみればよかった。
植物を避けつつ山頂付近を回ってみたが、ひたすら岩が転がる平地もしくは少し窪んだ火口跡といった感じだった。
あまり長居しても仕方ないので、先程のヒュッテで登山バッチを購入し、一旦来た道を戻り蓼科山荘まで下った。そのまま帰っても良かったのだが、大河原峠に戻っても昼前になりそうだったので、準備していたおまけルートの南東方向へ下る道へ進むことに。
先程の道と違い人気が全くない道をひたすら下っていくと、いきなり沢のような音が聞こえた。地下水的に流れてきた稜線からの水の流れがここで登山道と合流していたらしい。
少し進むと視界が開け、道と沢が混ざったような場所に出る。この辺りから先程の水が沢を形成しだしていた。
長い下りで疲れていたのかここで本日初転びをし、ひっくり返って文字通り頭から地面に転がる。そして見上げると山荘の案内があったのは少し笑ってしまった。
時折また水の流れと合流しつつ、ようやく川に沿って続く別の道と合流。最初に蓼科高原方向に下る竜源橋の側に間違って進み、少し戻って改めて大河原峠方向へ
蓼科高原へ向かうであろう人々と何度かすれ違いつつ、なだらかな道を進む。このまま峠方向に帰っても良かったが、再びせっかくなのでと亀甲池方向へ。
湿地の様になっている天祥寺原を超えて、小山に挟まれた道を少し登ると、
亀甲池に到着。
霧のお陰で何となく怪しい雰囲気の池になっていた。
さて、このまま進めば双子池にたどり着くのだが、三たび折角なのでこの北横岳(横岳)に行ってみることにした。
先程の分岐を北横岳に進んだとたんに苔むす岩の中を進む登りが始まり、また霧もこの日一番の深さとなって明かりを出すか少し悩む暗さになってきた。
後半戦なのもあって辛くなってきた登りをしばらく進むと、ようやく霧が薄くなってきて、
ほどなく北横岳に到着。相変わらず見晴らしはなく、また風も強くなってきたので池やヒュッテなどもあったはずの周辺は見ることなく先へ進むことに。
さて、ここからは山を下って先の双子池に行く予定だったのだが、写真にもある案内看板には(難路)の文字。注意書きによると、この先にある大岳から双子池までは岩が連なりコースタイムの三倍も時間がかかることもあるルートとなっているらしい。そもそもコースタイムを確認していないのでよく分からないが、大分疲れた身体で進むのはややためらわれる雰囲気ではあった。しかし来た道を戻るのはあまり好きではないので、最悪ゆっくり下れば暗くなる前には帰れるだろうと大岳方向に向かうことにした。
最初の方は地形図の通りとても平坦な道で、やや拍子抜けする中歩を進める。
だが、大岳が近くなると徐々に岩が大きくなってきて、登山道から少し外れる大岳も完全に岩場の中に頂上があった。おまけに風が非常に強く、煽られて足を踏み外しそうになるなか先を急ぐことに。
結局難路というのは何だったのかというと、普通に地面を歩く場所がほとんどなく、雰囲気が伝わる写真が全くなくて分かりにくいが、この手前にある岩や、奥にわずかに見えるような岩場の上を伝って植生の濃い草木を避けながら進む登山道で、おまけにその岩が雨のせいか靴のせいか大変滑るという地味に疲れる道になっていた。岩場は隙間が多く、足や身体が滑り落ちそうになる場所もいくつかあり、時々進む方向が分かりにくくなるなど確かに難しい道ではあった。この道中で肘や膝をあちこちぶつけ、疲労だけでなく痛みにも襲われる羽目に。
本日一番の展望。恐らく佐久穂町方向。
途中に「天狗の露地」という場所があり、恐らくこういった岩々がちょっとした平地に所々あるのが由来だろうかと思いつつ先に進む。
更に進むとようやく双子池とヒュッテが見えてくるが、ここからも岩々を乗り越えながら進むので一向にたどり着かずかなり疲れてしまった。
距離に比して多大な時間をかけて、ようやく双子池に到着。
双子池は名前の通り二つの池があり、それぞれ雄池と雌池という名前らしい。雌池の方には野営地があり、風光明媚でよさそうな野営場所だった。
余談だが、雄池の方は荷物を持って近寄るなという注意書きがあった。ヒュッテの水場だから汚すなということだったのだろうか。
さて、ここからは最後の登りである大河原峠への道のりであるが、双子山を経由するのが最短ルートで地形図的にも比較的緩やかな傾斜なのだが、この辺りで蓼科山に登った際の高山病の頭痛がかなりひどくなってきた。疲労もあるのでどうするか悩んだ(付近の林道をゆっくり登る手もあった)が、どちらにせよ登るのは同じなので当初の予定通り双子山方向へ進むことに。
背の高い笹で足元の見えない登山道をゆっくり登り、見晴らしのよさそうな山頂付近にたどり着く。しかしここも強風が吹き荒れ、遮るもののない道をひたすら進む。
頂上へたどり着けば、出発地点まであと少し。
頭痛と戦いながら、ようやく最初の大河原峠へ到着し、この日の山歩きは終了。この後は吐き気を伴う頭痛のひどさに少し仮眠をとり、頭痛薬を求めてふらつきながら帰路に就くこととなった。
というわけで久しぶりのしっかりした山歩き、それも夏にいくのは数年ぶりだったが、やはり体力の衰えが顕著で、いつものアタックザックのみですらこれだと、泊りがけの荷物には耐えられなさそうだと思った。今後テント泊ありで山に行くときは、もっと短い行程で考えないといけないかも知れない。