眼鏡箱

写真と長くなりそうな話の物置

久しぶりの山歩きは霧の中

個人的山歩きシーズンである冬が遠ざかって久しいが、今回は数年ぶりに夏山歩きに行ってきた。

 

今回行ったのは長野県松本市岐阜県高山市の間に位置する焼岳という山。時々付近を通るので、焼けたような山頂が特徴的なこの山に一度登ってみようと思っていた。位置的には上高地安房峠が近くにあり比較的有名、かつ今回使用した新中の湯ルートであれば3時間あれば登れる初心者にもお勧めな山になっている。

 

ただし、このルートの登山口周辺の駐車場は10数台程度分で人気の割には少な目なので、自家用車と駐車場所を確保できれば、という注釈が付く。自前の交通手段がない場合は上高地方向から登るか、近くの中の湯温泉で宿泊しての方が良いかも知れない。今回は前日深夜に到着したのでほぼ一番乗りだったのだが、朝起きるといつの間にか駐車スペースがいっぱいになっていた。

 

因みに、登りやすい山ではあるが今でも噴気の上がる活火山であり、山頂付近は岩場もあるのでヘルメットの準備や噴火警戒レベルなどの確認はした方がよい。またこの登山口に登山届のポストはなく、中の湯温泉で出すことになっていた。

 

 

出発して早々に、このルート名物(?)の安房トンネル開通前の峠道から転落したらしい、年季を感じる遺棄自動車が出迎えてくれる。

 

最初の1時間程度は森の中を登っていく形。この日は合羽を着るか微妙な天候で、時折雨に濡れながらの登りとなった。

 

突如現れる謎の空き地。恐らく正面からくる旧中の湯ルートとの合流地点。

 

 

分かってはいたが天候的に山頂の視界はなさそう。

 

活火山と言うこともあり、所々にこのような小型の観測機材や大学の設置型機材などがあった。

 

だんだんと硫黄の匂いが強くなる中、霧というか雲の中に入りつついわゆる鞍部にたどり着いて北方向南峰を見たところ。南側は足場が悪くここから先は立ち入り禁止となっている。本来であれば右下方向には火口湖的な正賀池が見えるはずだったが、当然の如く何も見えなかった。

 

そして噴気の大きな音は聞こえど蒸気も何も見えないまま、登れる焼岳の山頂に到着。当然視程はほぼなしで寒い風だけが吹き付ける残念な頂上だった。因みに自分の参照した地図は登山道から少し離れた場所に北峰がある事になっていたが、天候的にルートもよく分からず断念。ルート沿いのこちらの方が高いらしいがよく分からなかった。

 

 

と言うわけで時間的にはそれほどかからずあっさりと登頂してしまったが、景色的にはあまり面白くない残念な結果になってしまった。以後は周辺をうろついたりしばらく北上したりしつつも、特に収穫なく下山することにした。なので以後はおまけになる。

 

ここまでの写真だと普通の山にしか見えないので焼岳っぽい分を。周辺の匂いもあって山の温泉感が結構ある。

 

山頂から中尾峠近くまで下るといくつか噴気が出て暖かい場所がある。山頂近くの噴気孔と違いこちらは静か。峠近くには焼岳小屋があるが、地図上だと近そうに見えて山頂から1時間近くかかるので中の湯方向からだとちょっと寄るには予想外に遠かった。

 

一瞬だけ新穂高方向が見えた。駐車場がいっぱいだった場合はこちらの中尾登山口から登るつもりだった。

 

新しく生えてきたのか先端だけ明るくて面白かった。

 

 

今回はこのように天候が良くなく、普段の、特によく行く冬の山歩きではそもそも天候が悪いことが多いのであまり景色に期待はしないのだが、焼岳に関しては見た目を気に入って登ったこともあり結構残念な気持ちになった。とはいえこれで概ねの雰囲気は掴めたので、また機会があれば登ろうかと思っている、できれば冬に。