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LOMOMATIC 110簡単紹介(外観編)

Lomographyから新しく発売された110フィルムカメラ、「LOMOMATIC 110」を衝動買いしてしまったので少し紹介など。

 

この製品を知った際の経緯は前回の記事の通りで、たまたまAGFAMATICを持ってCP+に行ったら、同じスタイルのフィルムカメラがLomographyブースにて発売予定として展示されていたという面白い偶然があった。それで興味を惹かれていたところに発売のお知らせを見かけて、ついカートに入れてしまっていた。

 

※前回の記事

glassesbox.hatenablog.jp

 

 

思ったより立派な箱には本体と外付けフラッシュ、ストラップにフィルムケース。それからポスターと作例等の冊子も入っていた。

 

フィルムケースの中にはフラッシュ用のカラーフィルター。

 

マニュアルは今時なQRコードからのオンライン。この記事を書いている時点ではマニュアル内に日本語も存在するが、Q&Aが若干おかしかったり解説もわずかに簡略化されている感じになっていた。ちなみにQ&Aの該当部分は、110フィルムは撮影途中でもそのままフィルムを取り出せば現在準備されている一枚が犠牲にはなるがフィルム交換ができる事と、写りが暗い時は(何とか固定する必要はあるが)バルブを試すのも一つの手というのが英語版には書かれていたので追加するならその辺りだろうか。

 

LOMOMATIC 110には三種類の製品があり、懐かしめのカラーリングの樹脂製ボディを持つGolden Gate Editionのフラッシュあり/なし仕様、それと金属製外装のモデルがあり、今回は金属製のモデルを購入した。外観は高級感のあるシルバー筐体が、チープというより年代を感じるような樹脂製筐体と大きく異なる雰囲気を持っている。しかしモデルによっての価格差はあるものの性能差はなく、違いはフラッシュ同梱の有無程度でグレードというよりバリエーションの差といった製品展開といった所か。

 

 

内容物はこれ位にしてここからはカメラ本体について。

 

先の通りシルバーの金属筐体がしっかりとした印象を与えるが、持ってみるとひんやりとした触り心地の一方で軽合金の薄いボディなのか意外と軽く軽快な感触がある。レンズはMinitar CX 23mm F2.8とのことで、35mm判でいう47mm前後で概ね標準域といった所だろうか。マルチコートのガラスレンズを使用し良好な画質が得られると紹介されていた。

 

Lomographyのスタンダードな110フィルムである「Tiger 200」と。シャッターは機械式ではなく電子式で、内蔵露出計を用いて自動的にシャッタースピードを調整する仕組み。撮影にはCR2電池を1本使用し、電源のON/OFFはスライドと連動する(5分後に自動電源OFFになる機能付き)。またフラッシュは脱着可能で、外すとよりコンパクトになり使い勝手が良い。因みに一応説明しておくと、このタイプのカメラはフィルムの巻き上げやシャッターの準備をカメラの左右部位のスライドで行い、撮影するごとに圧縮と展開を行って巻き上げを行う。

 

電池とフィルムを入れてカバーを閉じ、透明窓からフィルムの表示が「1」になるまで左右にスライドすれば準備完了。一枚ごとにフィルムの開口部に爪が引っかかり巻き上げ機構を止めるので、何度スライドさせてもフィルムが行きすぎたりはしない。

 

ここからは前回記事のAGFAMATICと並べつつ紹介していく。左にある色付きの表示とスライダーはゾーンフォーカスの設定用で、表示の通り四種類の距離に設定ができる。また下方には絞りの設定スイッチもあり、日中用のF5.6と夜間用のF2.8を切り替えられる。

 

あまり参考にならないとは思うが、AGFAMATICとのサイズ比較。見ての通り横幅はほぼ同等で、高さと奥行きがそれぞれ違う。重量はAGFAMATICが重く、樹脂部が外に出ている割には塊感があり、機械式ということもあって動作も剛性感がある。一方のLOMOMATICは金属製と言っても薄い合金が張り付けてある感じで、比較すると動作も含めてややトイカメラ感がある(そもそもこのスタイルのカメラ自体がトイカメラ的分類なのかも知れないが、他のスライド式のカメラを見たことがないので分からない)。

 

スライドの開閉状態。LOMOMATICはスライド開放状態で操作部位が現れる。上部にはシャッターボタンやISO感度調整ボタン、バルブモードボタンにそれぞれの表示LEDがあり、下部には多重露光ボタン(レバー)と絞りの設定スイッチがある。同じスタイルのカメラだが、スライドで操作部位が現れるLOMOMATICとファインダーが現れるAGFAMATICというちょっとした違いがある。

 

ストラップの取り付けはAGFAMATICが一般的な三脚取付穴にねじ込む形で、LOMOMATICはストラップ用の環が取り付けてある。ストラップは金属製で、多少太いが同様のクラシカルなスタイル。しかし、LOMOMATICの同梱品は太さによる隙間の広さや加工精度の都合か、服や布などをかみ込み引っかかってしまうので、撮影後に箱に戻ってもらった。また、AGFAMATICと同じような方法なら、縦にはなるが三脚も使えてバルブ撮影などでも便利そうなのでそこのところは少し残念。

 

 

こんな感じで簡単にLOMOMATIC 110の外観について書いてみたが、全般としてはスタイルや機能は必要十分で、デジタル全盛の現代に110フィルムカメラとして気軽に、そして自由な方法で使用するには一眼レフのような形より適した製品なのではと思う。また、この大きさでも暗所で便利なF2.8の明るいレンズを使用しつつ、自動露出で失敗少なく撮影できるのはフィルムカメラを初めて手に取る層にも嬉しい仕様だと思う。一方で物価の差はともかく販売価格としては近いAGFAMATICと比べるとチープ感が否めないというか、操作感だけでなく開封時から細かい傷や処理の雑な部品などもあり、仮にトイカメラの方向性でももう少し丁寧な作りが良かったと思う。また、これは完全に個人の意見ではあるが機械式のシャッターの方が利点が多い気もしていて、それによって結果的に操作感や筐体にも重量感というか高級感も生まれるのではないかと触り比べながら感じた。しかし、先の通り現代にこのような110フィルムカメラが登場してきたのは個人的には嬉しく、フィルム共々維持だけでなく新製品を登場させるLomographyには常々感謝している。また、写りについてはより優れている(はず)なので、これから実写で確かめてみたい。

ということで、撮影や現像の都合上実写した写真はまた後日に。