品薄な上に価格がかなり上昇していてますます使いづらくなっているフィルムだが、フィルムカメラ購入当初は見かけるたびに一つずつ購入するなどしており数個在庫があったりする。しかし当然の如く着々と使用期限が近付いているので、現像費用を気にしつつ細々と消費しているのだが、今回はその中からモノクロフィルムを使用した写真をいくつか置いておく。(画像多し)
第一弾
第二弾
まずはKodakのTRI-X400。記憶によれば冬の寒空の下、歯の治療中に痛みと戦いながら都内を歩くという謎のタイミングでの撮影。
今までモノクロフィルムを使ったことがなかったので良し悪しはよく分からないが、色がない分明所や暗所が割と消えてしまいがちなのだろうかと思った。
光と影や空と建物のような明暗がはっきりしている写真の方がモノクロ映えするような気もする。
時期的には先の通り冬なのだが、フィルム一本だけを現像するのもどうかと思いしばらく置いてあったものなので今年ではなく去年のものだったりする。
いきなり場所が飛んでこちらは山梨県は山中湖付近。見ての通り雪が積もった後の晴れ間の撮影。やはりISO感度400となると、あまりシャッター速度を出せないフィルムOM-1には難儀な事が多い。
本栖湖にも行った。空の諧調が微妙なのはスキャナの問題だろうか。
ここからはもう一つ持っていたモノクロフィルム、富士フイルムのネオパン100、アクロスⅡになる。結構前に購入したのだがなかなか使うタイミングがなく最近になってようやく撮り始めたもの。なので時期的には割と最近のものになる。まずは長野県松本市に行った際のもの。
この椅子は以前も撮影した記憶。
年季の入ったフィルムの看板。
少し離れてこちらは辰野町にある荒神山より。この日も普通に暑かったのだが、この展望台は日陰な上に程よく風が抜け別世界のような涼しさだった。二枚目(確か21mm F3.5の広角レンズ)の周辺のケラレは恐らくフード代わりのステップダウンリング。
全く関係ないが、辰野と言えばそれなりに有名な企業の工場が複数あるのだが、正直な所、街中が比較的寂しいのが少し気になった。ほとんどが撤退後の某商業施設の建物の印象のせいだとは思うのだが、中央本線の主流から外れているのもあってか駅周辺も少し静かだった。
こちらもいきなり飛んで最後は富山県は富山駅近くにある運河環水公園。
カラーというか肉眼だと目立たなかった日差しが気になる絵になってしまった。そもそも傾いているが、それはそれとしてレンズの歪曲も割とある気がする(割と歪曲するらしい35mm F2.0だったと思うが自信はない)。
隣にあった建物がなくなった跡。これも肉眼だともっとはっきりしていたが、モノクロではあまり目立たなかった。
例のスタバ。
と言うわけで久しぶりのフィルム、そして初めてのモノクロだったが、やはり肉眼で見た時の印象をモノクロで表現するのはなかなか難しかった。そういった意味で、色々と試行錯誤しやすいデジタルの方が便利そうというのがカラーネガの時より感じられた気がする。少し前、某PENTAXがモノクロ専用一眼レフカメラを登場させて、元々のボディも併せて結構面白そうだと思ったものだが、こうしてモノクロ撮影をしてみると自分には敷居が高そうということが何となく分かってしまった。
フィルム自体は正直な所あまり違いは分からなかったが、何となくトライXの方が強めのコントラストと粒状感で、アクロスの方が諧調や画質が滑らかだったように感じる。もちろん感度も違うのでそちらの影響かも知れないが、調べた限りだと後者の方が粒子が細かいのは合っているらしい。使い分けるなら、いかにもな感じの硬い雰囲気ならトライX、今時のデジカメ的なきれいな描写ならアクロスといった所だろうか。そもそも店頭で見かけること自体が少なくなっているので、置いてあるものを使う感じになりそうな気もするが、売っているだけありがたいとも思うので引き続き何とか流通して欲しい。
因みに、前々回同様ここまでにかかった費用をざっくり見てみると、現像は一本で1200円程、スキャンは同じく900円程で、合計2000円と少しといった所。現在のフィルム価格が恐らく1000~2000円程度だと思うので、全部含めると5000円程度は見ておいた方が良いかも知れない。以前の記事ではカラーネガの現像が800円程だったと書いているが、価格が上昇したのかモノクロだからなのかは確認し損ねた。どちらかと言うと今回気になったのが受け取りまでの期間で、これまでカラーネガの現像とスキャンをお願いした場合、近所の量販店ではその日に仕上がっていたのだが、今回は同店舗で現像とスキャンにそれぞれ一週間程度かかってしまった。元々モノクロやリバーサルは時間がかかると聞いていたのであまり気にはしていないが、もう少し気軽にできたらとも思う。