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長年使っていたDAPが遂に現役を退いた

先日、長年変えよう変えようと思ってなかなか更新できていなかった携帯音楽プレーヤをようやく買い替えることにした。

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現在まで使用していたのは、当時のKENWOOD製のHD60GD9というハードディスク内蔵型デジタル音楽プレーヤで、以前の「日記」によると2007年の年末に購入したことになっており、そこから約12年ほど使い続けたことになる。この間一度外装とバッテリを交換しており、年季の割にはまだ目立った不調もない。以前は列車を多用していたのでかなり高頻度で使用していたが、最近はもっぱら自動車移動になっていて使用頻度は減りつつ、今でも出先や家で時々使用していた。先にも書いた通り大きな不具合は特にないが、あまり引っ張ると突如故障したりめぼしい後継機が見つからなくなったりしそうなので、重い腰を上げてようやく更新したという経緯になる。

 

久しぶりの機種更新なので携帯音楽プレーヤ歴を思い出してみたが、自身が初めて入手したのはカセットテープ末期時代までさかのぼる。そこから少し遅れてMDに移行したが、その時点で当時で言うMP3プレーヤが今後広まるのは何となく分かっていたのであまりこだわらなかった記憶がある。そしてまだ黎明期の海外製MP3プレーヤを経て、GD9の先々代に当たるHD30GA9を入手した。正直な話をすると、この機種を選んだ際は音質よりも連続再生時間の方を重視していたところがあって、現在のハイレゾ対応の機種ほどではないにせよ当時のDAPも長時間再生は苦手なものが多く、今ほどモバイルバッテリが普及していなかったのもあって電池残量を気にすることが多かった。そのため、先のMP3プレーヤや並行して使用していた別のDAPでは乾電池が使用できる機種にこだわっていたくらいだった。GA9は20時間を超える当時としてはなかなか良好な連続再生時間で、そこが購入の一番の決め手だったと記憶している。しかし、実際に使用してみると音質についてはかなり好みというか不満のないもので、内蔵HDDも圧縮音源なら当分困らない容量で高価格に見合う満足度だった。当時のデジタルアンプでは割とよくあるホワイトノイズも、自身があまり気にしないタイプだったので問題にならなかったのも大きい。そしてGA9を数年使用した後、後継機でありこのシリーズ最後になるHD60GD9を入手して今に至っている。

 

GD9はGA9からGB9を経て順当に進化させたような機種で、音質の正常進化はもちろんAACに対応したり取り扱いの利便性も改良されてとてもよい製品になっていたと思う。ホワイトノイズは変わらず残っていたがかなり抑えたものになっていて、当時から使用しているイヤホンが高インピーダンスな事もあって静かになっていたのもよい点だった。そしてGD9にほぼ不満がなく、先に書いた外装とバッテリの交換でリフレッシュした上に使用頻度の低下もあり長く現役にとどまることになった。

 

現在では多くの人が持っている携帯電話で気軽に音楽を聴くことができるようになった一方で、専用プレーヤは差別化の為かハイレゾ等高音質方向に進んでおり、当時は高価だったGD9を遥かに超える価格帯の製品も普通に見かけるようになっている。また、音楽再生以外の機能を持たせたものも多く、携帯電話のOSを用いる機種も増えてきた。圧縮音源ですら高ビットレートでは殆ど違いを認識できない耳にはいかにもオーバースペックで多機能な機種が主流になりつつあり、自身の求める程よく高性能の音楽再生専用機種は選択肢がそれほど多くない。とはいえ携帯電話に吸収されずに残っているだけもありがたい話ではあるので、今後もDAPというジャンルが続いて行って欲しいと思う。